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3次元異文化コーチング

 

コーチングの最も大きな目的の一つは、クライアントが自ら行動を起こしたり、行動を変更したり、或いはある非生産的な行動を止めたりすることです。そのためにコーチはクライアントに刺激を与え、質問によってクライアントの潜在的能力等を引き出していきます。

 

行動を変えてもらうために、動機が必要となります。その動機の原点が心理学的に言えばクライアントが持っている様々な欲求にあります。そこでクライアントのパーソナリティー(自己)に働きかけるのはコーチの仕事です。

 

ですが、人間の自己は複雑な構造から成り立っており、クライアントを「一つの完全であるユニット」として扱うことは行動を起こすのに効果的ではないと考えています。コーチングによってある特定の目標が達成されるというよりも、コーチングを受けることによって、クライアントの人生が確実に変わると私は確信しています。つまりクライアントの課題をより大きなコンテクストの中で捉える必要があります。しかし、「より大きなコンテクスト」というのは何でしょうか。この質問を長い間に自問してきました。

そして私が辿り着いた答えは、「
文化を超えたコンテクスト」でした。

 

文化
特定の集団の成員全員が共有している価値観・規範。
その価値観・規範は生得的なものではなく、コミュニケーションによって伝達され、学習されたものである。
コンテクスト
共有される情報(前提・「常識」・「固定概念」)

 

 

「文化を超えたコンテクスト」の中でのコーチングが成功するのに、
3次元のコーチング」が必要となります。3次元コーチングは私が独自で開発してコーチングプログラムであり、プログラムの原点は異文化コミュニケーション論による「自己構成」です。

 

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 異文化コミュニケーション学の観点から人間をみると、自己は3つの次元から成り立ちます:


個性の次元 ・ 文化の次元 ・ 生物学的普遍の次元

 

自己の構成
 

 

人間の基礎となるのは普遍的な自己です。この自己の次元は人間に共通しています。例えば「食料の必要性」、「生存欲求」や「安全でありたい」欲求はこの次元に属します。つまり人間の本能的な部分、最も基本的な欲求がこの次元によるものです。

 

普遍の自己の上になるのは「文化」です。私のコーチングでは、この次元が最も重要です。文化の規範が多くの固定概念を形成し、人間の行動や発想を規制する特徴があります。その規制は大抵無意識のうちに行われますので、自分が規制されていることに気づくのは、違う文化を体験しない限り、中々困難です。


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 Geert Hofstedeによれば、文化は思考のソフトウェアーであり、文化によって我々の行動や言動がプログラムされているといいます。

 

つまり、人間の行動は文化によってある程度決定されると考えられます。さらに、人間は一つの文化だけを持っているわけではありませんので、文化を知ることで行動の予測は可能になるという考え方は当てはまりません。
個人が持っている文化の代表的な例として挙げられるのは国や民族の文化、企業文化やジェンダーなどです。

 

人間の自己を構成する第三の要素は「個性」です。個性は字義通りに一人ひとりの人間が独特に持っているものです。性格等には文化内に共通する特徴が多く見られますが、必ず他者にないものが存在します。個性の構成に最も影響を与えている要素は幼い頃の直接体験と個人がおかれている環境だと考えられています。

 

 

3次元異文化コーチングのアプローチ

 

 

行動を起こすため、または新しいアイディアを実行するために、自己の三次元がそれぞれ「同意」しなければいけません。自己の次元の間に矛盾や葛藤が生じた場合、人間は挫折を味わってしまいます。

 

例えば、ある日本人社員が突然やる気を失い、次第にうつ状態になっていると想像してみましょう。彼の上司はそれに気付き、面談を行います。「最近何かの心配事でもあるの?」と尋ねても、「大丈夫です」としか返事が返って来ません。

あなたは彼の上司ならどうしますか?

 

3次元異文化コーチングでは、彼の中にどのようなコンフリクトが起きているかを先ず明らかにします。そのために「安全」な場を提供し意識していない文化の様々な規範を必要ならば明確にします。そして同時に、本人がどのような欲求を持っているかを明らかにする必要があります。

 

例の会社員がとても改革的なアイディアを持っているとしましょう。このアイディアを実行すれば、かなりの成果が期待できます。ですが、組織の風習は保守的であり、アイディアを勝手に提案したり実行したりすれば、先輩や上司の反感をかうことになるでしょう。そして彼の中に他者に認めてもらいたい、他者を支配したいという欲求が存在すれば、アイディアをきっかけに自分は昇進することになるかも知れません。

 

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この例にはいくつかの内面的葛藤が発生しています。

 

 

  • 企業や日本文化の強い集団志向(出る杭は打たれる)と彼の個性
    (想像家)

  • 本能的欲求(支配したい・認められたい)と企業や日本文化
    (協調性が優先される)

  • 本能的欲求個性
    (本能的欲求を認めない個性・罪悪感と同時に不満)

 

3次元異文化コーチングが目指すのは、クライアントの自己理解と文化的規範の再検討です。特に後者に大きな意味があります。文化のルール(規範)があるからこそ文明の発展や共同体での生活が可能になりますが、全ての規範は現状に見合っているかどうかは疑問です。

文化は絶対的生得的なものではなく、人間が自ら作り上げましたから、規定変更は可能です。しかし、規定(規範)の存在さえ知らなければ、変更することは当初から不可能です。

 

例えば女性が結婚と仕事の間にひとつを選択しなければならないケースが多いのではないでしょうか。日本人にとって、この選択は自然(→普遍)なものであり、疑問に思わないだろう。しかし、この選択は文化による「人工的」なものであると気付けば、他の選択肢も思い浮かべられるでしょう。

 

文化の規範と個人の欲求が一致しなければ、文化的規範・価値観を変えることは現実的ではありませんが、両者との間のギャップに気付けば、両者の間の妥協や調和が可能となります。

 

異文化コーチングではクライアントを「3次元」にコーチングいたします。それは自分と自分が属する組織をより深く知るきっかけにもなりますし、自分の行動範囲も確実に拡大されます。その結果に自分の人生の主導権を取り戻し、夢やヴィジョンの実現はそれでもはや時間の問題だけでしょう。


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3次元異文化コーチングが最も効果を発揮するときはコーチとクライアントが異なる文化に属するときです。違う国籍は必ずしも必要ではありませんが、コーチとクライアントがそれぞれ持っている文化的コンテクストが異なれば異なるほど、文化を超えたコンテクスト(共有知識・認識)を手に入れることができます。

 

私は現在(2011年)まで16ヶ国の国籍を持つ方にコーチングを実施しておりました。ですが、日本人のクライアントには最も大きな効果を確認しました。その理由は、日本とドイツの文化的規範と表層的な側面は正反対でありながら、文化の芯にあたる深い価値観に共通している部分がかなり多いと実感しております。

 

文化の壁を乗り越えて、一緒に貴方が抱えている課題を新たなコンテクストの中で解決に導きましょう。

 

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